HACCPの導入を行った企業でよく聴く評価に、従業員の意識が変わったと言うものがあります。衛生管理の方法を変えるだけで、なぜ従業員の気持ちの部分まで影響するのでしょうか。それはいろいろなことが明確になるからです。例えば自社の製品いついて説明書を作ることで、どのようなものを提供し、顧客に期待されているのかを知るきっかけになります。
製品の特性に合わせて、衛生管理方法を策定します。漠然としていた手順がはっきりと意味のあるものとなって、従業員に浸透します。めんどくさいと思っていたことが、本当に大切な作業だったと分かればやらなければと思うはずです。そして重要な管理点で、しっかり管理することで不良率が下がります。
HACCPは目指していることはこの部分ですが、不良が減ることで、作業が無駄でないと思う気持ちともっと良いものを作りたいと言う向上心が出てきます。HACCPの副次的な効果として、対外的な印象が変わってくることも影響しています。社外からの良い意見が多くなれば、それだけ自社に対する見方も変わってきます。問合せに対しても明確になった自社の工程によって的確な応答ができるようになります。
受け応えがよければそれだけ印象もよくなり、売り上げの貢献にもつながるはずです。このような良い方向でのスパイラルが重なることが多く、それが従業員の意識を高めることになっています。義務化だけでなく、このような良い結果が得られれば、導入する意味があります。