HACCPの始まりと考え方

食品関連で目にすることのあるHACCPは、食品製造の衛生管理に関わる管理手法のことです。誕生のルーツは1960年代頃にまで遡り、アメリカを中心に制度の開発が進められ、今では日本を含めて世界中で普及しています。元々は宇宙開発から始まっており、宇宙食の安全を確保する為に考え出された管理手法がHACCPの原型です。宇宙空間という特殊な環境を想定した安全性確保ですから、製造段階から厳しい基準で厳格な管理が行われるように設計されています。

そこから民間の食品製造に応用され、消費者の安全は格段に守られるようになり、現在は食中毒などが発生するケースは稀です。誤解されがちですが、HACCPは安全性の確保に特化している管理手法で、品質管理については別に行うものとされています。理由としてはコストが膨大に掛かることが大きく、大手企業にとっても管理のハードルが上がり、続けるのが難しくなってしまったことが挙げられます。日本は独自に品質も含めた管理手法を採り入れていますが、安全性についてHACCPと異なる部分もあるので、同じと考えることはできないです。

しかし、日本の食品製造の安全性が世界的に見ても高く、信頼を獲得しているのも確かです。HACCPはあくまでも手法の1つに過ぎないので、認証を取得すれば万事OKとはなりませんが、無対策よりは遥かにマシですし、歴史ある管理手法で日本の食の安全を守る一端を担っているのは間違いないです。

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